コラム

EC運用支援コラム

EC運用支援コラム

EC担当者が1人しかいない会社が、辞められても止まらないようにする5つの備え

EC担当者が1人でも、会社のEC事業を止めないためには、業務の見える化・情報共有・引き継ぎ体制・優先順位の整理・外部支援の5つが重要です。

ECサイトの売上が伸びる一方で、運用を担当する社員はたった1人。

そんな状況になっていませんか?

「担当者が休んだら、誰が注文を確認するのか」

「急に退職することになったら、商品登録や広告運用はどうなるのか」

「採用したくても、ECの実務が分かる人材が見つからない」

こうした悩みは、EC事業を成長させたい企業にとって、決して小さな問題ではありません。

特に中小企業では、EC担当者が商品登録、在庫管理、画像制作、キャンペーン設定、売上分析まで兼任しているケースもあります。

問題は、担当者が1人であること自体ではありません。

その人がいなければ、会社として何も判断できなくなることです。

本記事では、大阪でEC運用請負・EC運用保守サポート支援を行う株式会社JYOが、EC担当者1人の体制で起こりやすい課題と、今日から取り組める5つの備えを解説します。


1. EC担当者が1人の会社では、何が問題になるのか?

EC担当者が1人の場合、最も注意したいのは業務の属人化です。

属人化とは、特定の担当者だけが仕事の進め方や判断基準を把握し、ほかの社員が同じ業務を再現できない状態を指します。

例えば、次のような状況です。

  • 楽天市場やAmazonなどの管理画面を操作できるのが1人だけ
  • 商品画像やバナーの保存場所が担当者しか分からない
  • キャンペーンの設定方法がマニュアル化されていない
  • 広告費の変更理由や売上改善の判断が記録されていない
  • 外部の制作会社や取引先とのやり取りを担当者しか把握していない
  • 急な欠勤時に注文処理や問い合わせ対応を代行できない

通常業務が問題なく進んでいる間は、こうしたリスクが表面化しないこともあります。

しかし、担当者の退職、長期休暇、体調不良などをきっかけに、運用が止まってしまう可能性があります。

さらに、EC運用には「作業」だけでなく「判断」が必要です。

例えば、売れ筋商品の在庫が少なくなったとき。

単に在庫数を更新するだけではなく、広告を継続するのか、販売を一時停止するのか、仕入れ担当者に確認するのかといった判断が求められます。

この判断基準まで担当者の頭の中にしかないと、引き継ぎ資料があっても十分に対応できません。

EC担当者が1人の会社に必要なのは、単なる人員補充ではなく、誰が担当しても最低限の運用を継続できる仕組みなのです。

2. 備え① EC運用の業務をすべて見える化する

最初に取り組むべきことは、担当者が日常的に行っている業務を洗い出すことです。

EC運用は、社内から見えている以上に細かな仕事で成り立っています。

例えば、商品ページを1つ公開するだけでも、商品情報の確認、画像の準備、説明文の作成、価格設定、在庫登録、公開後の確認など、複数の工程があります。

こうした業務を一覧にし、実施頻度と担当者を明確にします。

業務主な内容頻度の例
受注管理注文確認、出荷連携毎日
在庫管理在庫確認、欠品対応毎日
商品登録商品情報・画像の登録随時
ページ制作画像・バナー・説明文の制作随時
販促運用セール設定、クーポン管理週次・月次
広告運用配信状況、広告費の確認毎日・週次
売上分析売上、利益、改善点の確認週次・月次

※実施頻度は例です。販売チャネルや業務体制によって異なります。

この一覧を作るだけでも、会社として把握できていなかった業務が見えてきます。

重要なのは、単に仕事を書き出すのではなく、次の3点も確認することです。

「何をしているか」「なぜ必要か」「止まったら何が起きるか」

この3つが整理できれば、緊急時に優先すべき業務も判断しやすくなります。

最初から完璧なマニュアルを作る必要はありません。

まずは1週間、担当者が行った作業を記録することから始めてみましょう。

3. 備え② アカウント・商品素材・運用情報を会社の資産として管理する

EC担当者が退職した際、特に問題になりやすいのが、管理画面へのアクセス権限や商品素材の所在です。

例えば、商品画像が担当者個人のパソコンに保存されていた場合、ほかの社員がすぐに商品ページを修正できない可能性があります。

また、広告アカウントやECモールの管理権限が整理されていなければ、担当者変更の際に対応が遅れることもあります。

そこで、最低限、以下の情報を会社として管理する必要があります。

  • ECモール・自社ECの管理アカウントと権限
  • 広告管理アカウントと請求情報
  • 商品画像・動画・バナーなどの制作素材
  • 商品マスタ・価格表・在庫管理情報
  • 制作会社・物流会社など外部委託先の連絡先
  • 過去のキャンペーン設定や施策の記録

ただし、アカウント情報の共有には注意が必要です。

IDやパスワードを誰でも閲覧できる表にまとめるのではなく、権限管理機能や適切な認証方法を利用し、必要な担当者だけがアクセスできるようにします。

退職者の権限削除や二要素認証の引き継ぎ手順も決めておきましょう。

EC素材の管理も重要な経営課題

商品画像や動画は、ECサイトの販売活動を支える重要な情報資産です。

例えば、商品画像を撮影し直す必要が生じた場合、撮影の手配、商品の準備、画像編集、ページ差し替えなど、多くの工程が発生します。

過去の素材を適切に管理していれば、既存画像の再編集や別媒体への展開が可能になる場合もあります。

株式会社JYOでは、EC運用支援に加えて、コンテンツ制作やクリエイティブ制作にも対応しています。

EC素材撮影から商品ページ制作、日々の運用までを別々の仕事として考えるのではなく、一連の業務として管理することが、継続的な改善につながります。

4. 備え③ 引き継ぎ書には「操作方法」だけでなく「判断基準」を残す

EC担当者の引き継ぎで見落とされやすいのが、作業手順と判断基準の違いです。

例えば、次の2つを比較してみてください。

A:操作だけを記録した引き継ぎ書

「管理画面を開き、商品の在庫数を変更する」

B:判断基準まで記録した引き継ぎ書

「在庫数が一定水準を下回った場合は仕入れ担当者に確認し、入荷予定が立たない場合は広告や販促の継続可否を責任者に相談する」

Aだけでは操作方法は分かっても、どのような状況で対応すべきか判断できません。

Bのように判断の流れまで残すことで、後任者が迷う場面を減らせます。

引き継ぎ書には、次の項目を入れることをおすすめします。

項目記録する内容
業務目的なぜこの作業が必要なのか
作業手順どの画面で何をするのか
実施タイミング毎日・毎週・イベント前など
判断基準どの条件で対応を変更するか
注意点ミスが起こりやすいポイント
確認先判断に迷った際の相談相手

特に、楽天市場やAmazon、自社ECなど複数の販売チャネルを運用している場合は、それぞれの管理方法やルールの違いにも注意が必要です。

AIを活用して業務記録の負担を減らす

引き継ぎ書の作成には、AIを補助的に活用する方法もあります。

例えば、担当者が普段行っている作業を文章や音声で説明し、その内容をAIで手順書の下書きに整理する方法です。

ただし、AIが作成した内容をそのまま正式なマニュアルにしてはいけません。

実際の管理画面や業務ルールと照らし合わせ、担当者が確認・修正することが必要です。

また、顧客情報、認証情報、機密情報などを、利用条件を確認せず外部AIサービスへ入力しないようにしましょう。

大切なのは、担当者の経験を会社に残る知識へ変えていくことです。

5. 備え④ すべてを引き継ごうとせず、止めてはいけない業務を決める

EC担当者が突然不在になった場合、すべての業務をこれまでどおり継続するのは難しいかもしれません。

そのようなときは、業務に優先順位を付けることが重要です。

例えば、次のように整理できます。

優先度業務対応方針
最優先受注確認・出荷連携原則として継続
最優先顧客問い合わせ・欠品対応対応体制を確保
高在庫・価格の重要な更新必要な変更を実施
中広告運用予算・配信状況を監視
中商品ページの修正重要なものから対応
低新規企画・大規模改修状況に応じて延期

これはあくまで一般的な整理例です。商材や契約条件によって優先順位は変わります。

特に注意したいのが広告運用です。

広告は担当者が不在でも配信が継続する場合があります。

在庫切れの商品に広告費を使い続けたり、キャンペーン終了後も設定が残ったりしないよう、確認担当者を決めておく必要があります。

また、注文や問い合わせを止めないことと同時に、顧客情報を適切に取り扱う体制も欠かせません。

「全部を続ける」よりも、「絶対に止めてはいけない仕事を守る」。

この考え方が、少人数のEC運用体制では重要です。

6. 備え⑤ EC運用代行・外部支援を活用できる体制を整える

EC担当者が1人の会社にとって、もう1人正社員を採用することが必ずしも最適とは限りません。

採用には時間がかかり、入社後の教育も必要です。

また、担当者が増えても、業務が属人化したままでは同じ問題が繰り返される可能性があります。

そこで検討したいのが、EC運用代行やEC運用支援会社の活用です。

ただし、すべてを外部に任せる必要はありません。

例えば、次のような分担が考えられます。

社内で担う業務外部支援を検討する業務
商品戦略・販売方針商品登録・ページ更新
価格・利益の最終判断商品画像・バナー制作
顧客対応方針の決定EC素材撮影・編集
在庫・仕入れの意思決定定型的な運用作業
予算・施策の承認売上分析・改善提案の補助

社内には自社商品や顧客についての知識を残し、専門的な制作や定型業務を外部と分担する方法です。

これにより、担当者が退職した場合でも、外部の支援体制を活用して業務を継続しやすくなります。

ECコンサルティングとEC運用代行は何が違う?

外部支援を選ぶ際には、支援内容の違いも理解しておきましょう。

ECコンサルティングは、売上分析や課題整理、販売戦略の立案、改善施策の提案など、主に判断や計画を支援するサービスです。

一方、EC運用代行・EC運用請負は、商品登録、ページ更新、販促設定など、実際の運用業務を担うサービスです。

もちろん、提供範囲は会社によって異なります。

「何をすればよいか分からない」のか、「やるべきことは分かっているが実行する人がいない」のか。

まずは自社の課題を整理し、必要な支援を選ぶことが重要です。

大阪でEC運用支援を検討するなら

株式会社JYOは、大阪市西区を拠点に、EC運用請負・EC運用保守サポート支援、Web制作、コンテンツ制作、広告マーケティングなどを提供しています。

EC運用では、単に作業を外部へ移すだけではなく、制作や販促との連携も重要です。

例えば、商品ページの改善が必要になった際、画像制作、説明文の修正、公開作業、効果の確認までの流れを整理することで、担当者間の調整負担を軽減できます。

EC運用を安定させながら、商品やブランドの魅力を伝えること。

その両方を考えることが、継続的なEC事業の成長につながります。

7. EC担当者が辞める前に、何から始めればよいのか?

「必要性は分かったけれど、日々の業務で手いっぱい」

そう感じる企業も多いのではないでしょうか。

そこで、最初の30日間で取り組む内容を整理しました。

期間取り組むこと
1週目EC担当者の全業務を洗い出す
2週目アカウント権限・素材・取引先情報を整理する
3週目重要業務の引き継ぎ書を作成する
4週目別の社員による代行テストを実施する

特におすすめしたいのが、4週目の代行テストです。

担当者が休んだ想定で、別の社員が注文確認や商品情報の更新などを実施してみます。

実際に操作してみると、マニュアルに書かれていない手順や、権限不足、判断できない事項が見つかることがあります。

それらを修正することで、引き継ぎ書が実務で使えるものに近づきます。

また、運用を継続するうえで重要なKPIも共有しておきましょう。

売上だけでなく、注文数、転換率、広告費、粗利益など、会社が重視する数字を定期的に確認できる状態にしておくことが理想です。

担当者だけが数字を理解している状態から、会社としてEC事業の状況を把握できる状態へ。

この変化が、安定した運用体制づくりの第一歩になります。


よくある質問(FAQ)

Q1. EC担当者が1人でも、ECサイトを運営し続けることはできますか?

はい。事業規模や業務量によっては、1人でも運営を続けられます。ただし、業務の属人化には注意が必要です。作業手順や判断基準を共有し、緊急時にほかの社員や外部支援会社が対応できる体制を整えることが重要です。

Q2. EC担当者が突然退職した場合、最初に何をすべきですか?

まず、管理アカウントの権限、受注・出荷状況、在庫、顧客対応、広告配信状況を確認しましょう。そのうえで、止めてはいけない業務を優先し、社内で対応できない部分について外部支援の活用を検討します。退職者のアクセス権限や認証情報の管理にも注意が必要です。

Q3. EC運用代行は、業務の一部だけでも依頼できますか?

会社やサービス内容によって異なりますが、商品登録、画像制作、ページ更新、販促運用など、特定の業務に対応する支援サービスもあります。自社で担う業務と外部に任せる業務を明確にしてから相談すると、必要な支援範囲を整理しやすくなります。


まとめ|EC担当者が1人でも、会社のEC事業を止めないために

EC担当者が1人しかいないことは、必ずしも問題ではありません。

問題なのは、その人がいなくなった瞬間に、EC事業が動かなくなることです。

今回ご紹介した5つの備えを振り返ります。

  • EC運用の業務をすべて見える化する
  • アカウント・商品素材・運用情報を会社の資産として管理する
  • 引き継ぎ書に操作方法だけでなく判断基準を残す
  • 止めてはいけない業務の優先順位を決める
  • EC運用代行・外部支援を活用できる体制を整える

大切なのは、担当者の努力だけに依存しないことです。

担当者が安心して休める。

新しい社員が業務を引き継げる。

会社としてEC事業の状況を把握できる。

そして、担当者が変わっても、お客様へのサービスを継続できる。

そんな運用体制をつくることが、長期的なEC事業の成長を支えます。

EC運用の属人化や人手不足でお困りの企業様へ

株式会社JYOでは、大阪を拠点に、EC運用請負・EC運用保守サポート支援をはじめ、商品ページ制作、コンテンツ制作、EC素材撮影、Webマーケティングなど、企業のEC事業を支えるサービスを提供しています。

「EC担当者が1人で業務が回らない」

「引き継ぎができる体制をつくりたい」

「運用業務の一部を外部に任せたい」

そのようなお悩みがあれば、まずは現在の運用状況を整理するところからご相談ください。

EC運用の課題整理・ご相談は株式会社JYOへ。

株式会社JYO 公式サイト:https://jyo.jp/

お問い合わせ:https://jyo.jp/ (お問い合わせメニュー)


株式会社JYO
北浜太一